2012年03月23日

デンマークの壁

先日東日本大震災で被災した地域の仮設住宅の話になった時に、デンマークの住宅の壁の断熱についてどうなっているのかと訪ねられました。

その時の話は、東日本大震災で被災した地域などで仮設住居を作る際になぜ冬の寒さ対策が十分に出来ないのだろうかという内容でした。
仮設住居に限らず、東北という寒い地域なのにこれまでの建物はあまり断熱のことなどを考えた作りにはなっておらず、古い家屋などは冬でもすきま風がぴゅーぴゅー吹き込むような家が多い、と。

なぜなのでしょう。その解は今の僕にはまだわかりません。

デンマークの住宅ですが、壁は非常に厚く、30センチ以上ないと建設許可が下りません。
それはもちろん冬の厳しい寒さに耐えられるためのものです。
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デンマークは日本で言うとサハリンの北あたりに位置しており、非常に寒い国です。冬は氷点下の日々が長く続きます。
ところがデンマークの建物の中は、冬でも半袖で過ごせるくらいに暖かいのです。

デンマークの建物の構造はいろいろとありますが、一般的なレンガ造の住宅では断熱の方法は単純です。

まず厚さ10センチ程度のレンガの内壁。
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そして幅10センチ程度の断熱材。
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そして厚さ10センチ程度のレンガの外壁。
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建物の内壁にはモルタルが塗られます。

これだけで十分冬の寒さを防いでくれています。
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もちろん、建物の中で熱源があってこそ暖かく過ごせるわけですが、最近の住宅設備は十分冬の寒さに耐えられるものになっています。また窓などの建具も当然ながら断熱や結露を防ぐ作りになっています。

ちなみにデンマークでそのようなレンガ造の建物が出来るのは、日本のように地震がなく天災の被害を受けにくいからです。
構造は本当に単純でレンガを積み上げただけになっているのですが、200年300年と使われ続けている家も少なくありません。
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ただしこのレンガ造の住宅には、それほど大きな開口部を開けられないという欠点もあります。

そこで少しでも小さな窓からたくさんの光を取り込もうと、多くの建物では白色の窓枠を利用していると聞いたことがあります。
デンマークの伝統的な住宅が持つかわいらしく美しい民家などの外見の背景には、レンガ造という構造上大きな窓を開けられなかったという問題と、少しでも明るさが欲しいという風土歴史的なものが隠されているのです。

ですので東北の住宅の断熱問題にも、なにかそんな風土歴史的なものがあるのではないでしょうか。
posted by Coyama at 17:42| デンマークのこと