2012年02月05日

火事から学んだこと

今週末は「こもなみ倶楽部」の活動で小諸へ行ってきました。
今回は麦踏みと農地の野焼きを行う予定だったのですが、その野焼きを行った際に火が隣接する荒廃農地に燃え移ってしまい消防車まで呼ぶ惨事となってしまいました。

そもそも野焼きは昨年も同じ時期に行っており、今年もということで4日の土曜日に決行し、朝の10時から作業を始めました。
農地の土手などに生えている枯れ草に火をつけると、一気に燃え広がっていきます。不謹慎ではありますが、正直なところこのような火付け作業は楽しく、ついつい燃やしたがってしまいます。この日は4人で作業していたのですが、みな黙々と火をつけ、枯れ草が生えているところにはすべて火を放っていました。
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農地の草はお昼にはすべて焼き切ったのですが、午後に人を待っている間に寒さもあり、僕が隣の敷地と隣接する部分に残っていた草に火をつけて暖まっていたところ、火が風に煽られ20cmぐらいある溝を越えて隣へ燃え移り、瞬く間に勢いを増して隣接する荒廃農地に燃え広がりました。
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火が広がり始め、すぐにその場にいた4名で消火活動をしたのですが追いつかず、119番通報をして消防車を呼び、なんとか隣接の荒廃農地を焼くだけで収まり拡大は免れ、被害も最小限で食い止めることが出来ました。
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それでも警察と消防の方が計測した焼却面積は1,754平方メートル。

火の早さと勢いには、本当に恐ろしいものがありました。火の危険性は十分に知っていましたが、実際に目にすると改めて自然の驚異と恐ろしさを痛感し、反省しています。
ただその体験の中でいろいろなことに気がつかされたので、それをいくつか書いておきたいと思います。

1.慣れ
まず野焼きに関しては、我々に「慣れ」があり、そこからくる油断が今回の惨事にも繋がったと考えられます。
実はその日の午前中にも一度、焼いた荒廃農地に火が燃え移った危ない場面がありました。その時はなんとか燃え広がる前に火を消し止めたのですが、その後何事もなかったかのように我々は野焼きを再会していました。
また本来このような作業を行う際には役所に届け出を出さなければいけないのですが、1年目はきちんと提出していたものの、2年目となる昨年の野焼きの際に「この程度のことであれば出さなくても大丈夫だよ」という地元の方のアドバイスを受け、昨年も今年も届け出を出していませんでした。
もちろん日々の注意が足りない訳ですが、そこには人間の持つ「慣れ」という性質もあったと思います。

火に限らず、草を刈る際に利用する刈り払い機なども、扱いには十分な注意が必要で、本来はこぼれた刃が顔などに飛散するのを防ぐ防護ヘルメットなどを着用する必要があるのですが、慣れてくるとそれらを装備をしないまま作業を行ってしまうことがよくあります。そしてその慣れがいずれ怪我や事故に繋がる。しかし起こってからでは遅いのです。

今回の火事事件では、そのような「慣れ」に気づかされるよい機会となりました。以後気をつけたいと思います。


2.地元の消防団
火が広がった時点で、これは我々だけでは手に負えないと判断し、すぐに119番通報をしました。
そして消防署から火事の知らせを受け、地元の消防団の方々も数多く駆けつけてくださり、その数は最終的には50人以上いました。
まずはその方々へ、お詫びと感謝を伝えたいと思います。この度はご迷惑をおかけし大変申し訳ありませんでした。そしてありがとうございました。

この消防団の方々なのですが、比較的若い方々も多く、この地域にそれだけの若い人たちがいたという驚きがありました。
というのも農地のある地域でも他の地方都市同様に高齢化が進んでいて、若者の数も少ないと思っていたからです。それでも実際の数は多いということではないのかもしれませんが、今回の規模にはそれこそ多いくらいの消防団の方々が駆けつけてくださいました。

今回は比較的早く消防車が駆けつけてくださり多くの消防団員のおかげで拡散は免れましたが、これが若者の減少が深刻な地方都市ではどうなることか。

その後、今回の出来事を小諸の知り合いの方々に話すと「災難だったねぇ。ほんとそういうのはここら辺でも年に数回、よくあることだよ。」とみなさん笑って話してくださいました。空気が乾燥しているこの季節、このような火事は本当によく起こることなのだそうです。
そしてこれは小諸に限った事ではないと思います。

これからの少子高齢化社会の、地方都市において、このことはとても深刻な問題だな、ということに気づかされました。


3.荒廃農地の増加と所有者
今回焼いたのは、こもなみ倶楽部が管理している農地の隣にある荒廃農地です。ここは以前から雑木林が生い茂った荒廃農地になっていたのですが、2年ほど前に売却され、その際に一度整地されました。今回はそこに生えた雑草の枯れ草燃え広がりました。

その後、今回の被害報告作成のため警察の方がその土地の所有者を調べる事になったのですが、その地域の方々が誰もその土地の所有者を知らず、調書や広報が作成できないという事で警察の方が困っていました。
土地の売却ことを知る近所の方も「2年ぐらい前に他市の人が買って、一度挨拶に来たけれども、名刺も何も置いていかなかったからどこの誰だかわからない。」と言っており、その地域を管理する区長さんもその土地に関しては売られた事は知っていても新たな所有者は知っていませんでした。

その地域で昔は知っていた隣の農地が、現在は誰のものなのか、近所の人も自治会も誰も知らない。
これも、現在多くの地方都市で起きている問題だと思います。


4.地方都市の高齢化問題
今回被害のあったのは隣の荒廃農地でしたが、その先にある現役田んぼの畦も一部焼いてしまいました。
隣の荒廃農地とその先の田んぼの間には40cmぐらいの側溝があったのですが、火はそれをも飛び越えて燃え移りました。
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その後その現役田んぼの所有者のお宅へ謝罪をしに行ったのですが、その方はご高齢の方で、奥様との2人暮らしで後継者もいないと話されており、そんな中で田んぼを細々とやっているのだが寒いときは外には出ないので暖かくなるまでは現場は見に行かない、と話されていました。原状回復してくれればそれでよいから、と。

そのような状況の方というのは、増えてきているのだと思います。そしてその方の田んぼも、ご本人もいつまで続けられるかわからないといい、荒廃農地になるのもそう遠くはないのかもしれません。
もともと我々こもなみ倶楽部が使用している農地も30年以上の荒廃農地でした。そして今回焼いた隣の農地も荒廃農地。さらにそのお隣もそう遠くない未来に荒廃農地になる可能性もある。

地方都市における地域住民の高齢化は、そのような農地荒廃の拡大にも繋がって行くという事を、改めて感じさせられました。


5.農地の宅地転用
今回は農地だったため被害がなかったことが幸いですが、もし火が人家になどを襲っていたらそれこそ取り返しのつかない大惨事になっていました。
今回の農地の近くにも人家がいくつかあります。
以前はそこら一帯は農地だったわけですが、前述の高齢化や荒廃農地の出現で土地の売却や相続などにより、農地を宅地に転用しそこに住まいを建てる人も増えてきています。

そのような現状の中で今回起きたような火事が隣接する人家を襲う可能性は今後も十分にあると思いますし、これも小諸に限った事ではなく日本全国に共通する問題だと思います。地方都市に行くと広い農地の中に住宅がぽつんと建っているのを見かけることも少なくありません。
今はまだ周囲が活用農地や田んぼとして使用されているため手入れも行き届いていますが、前述のようなことからもそれらがいつ荒廃農地になるかはわかりません。
そういった中で、どこかで火の手が上がり、人家にまで達するという事も十分に考えられます。そしてその際に火消しとして駆けつけてくれる若い消防団員がいないということも。


火事の件は反省しつつ、一方でこのような問題に気づく貴重な機会となりました。
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最後に、再度この度ご迷惑をおかけした皆様に、お詫びとともに尽力と寛容な受け入れへの感謝をいたします。

とにもかくにも、みなさまも火の取り扱いには十分に気をつけください。
posted by Coyama at 23:50| 思ったこと・感じたこと